〜20世紀初頭のサンドイッチを考える の巻〜
今回作成するのは、漫画「シャーリー」に登場するジャムサンド。
以前もシャーリーからはベネットの好物・鳩のパテを再現しましたが、この作品にはまだまだ魅力の食べ物が登場します。
森薫さんの作品は書き込みが本当に細やかで、人間の丸みのあるフォルムは触れると柔らかそう。
その瞳は、瞬きをしたまつげの音が聞こえそうなくらいの美しい世界観です。
決して写実性にこだわってはいないのに、見るものの五感に濃厚に印象を与えます。
時間の流れ、それとない空間の描写が抜群で、それでいて内容も面白いというのだから素晴らしいです。
それらは人物ややりとり以外にも言えることで、紅茶を淹れるシーンはお湯を注ぐ音、ティースプーンをカン、と鳴らす音、香りが立ってくるまで想像させるくらいです。
そんな作者さんの描く世界ですから、登場する食べ物が食べたくならないわけがないのです。
このジャムサンドには、幸か不幸か作るシーンはありません。
カフェ「モナ・リザ」の常連さん、ミセス・ピックが愚痴をこぼすシーンで、彼女が提供されたものとしてちらり、と出る程度です。
ミセス・ピックは3ヶ月に1度訪れるお客様。
決まってカボチャのパイとジャムサンドを注文し、たっぷりと時間をかけてお嫁さんやご近所、親戚の愚痴を並べる‥という一癖あるお方です。
性根は悪くないご婦人のようで、品はありますがストレス解消にきているので、話がとにかく長く、くどい。
そんな方がじっくりとおしゃべりのお供にする定番の味、気になりませんか?
ジャムサンド、というとひねりのないもののように感じますが、それは大間違い!
だって舞台はメイドが当たり前に存在していた、20世紀初頭の英国、エドワード朝時代なのですから。
電気や車が出始めた頃の、イギリスのカフェのジャムサンド!
これは是が非でも作って食べたい!
ということで、いざ調理スタートです。
【用意するもの】

強力粉、ドライイースト、砂糖、塩、スキムミルク、無縁バター、水
まずはイギリスパン作り!
作品の他の回でサンドイッチを作るシーンがあるのですが、そこを確認するとパンはイングリッシュマフィンではなく食パン寄りのもの。
イギリスのサンドイッチということなので、パンは少し小ぶりでふんわりとした山形のイギリスパンを作ることにしてみました。

ドライイーストは水と砂糖少量をいれて、予備発酵させておきます。

10分ほど経つと、イースト菌が発酵をしてぶくぶく泡が立ってきます。

イーストが泡立ったら、水ごとボウルにいれ、すべての材料を加えます。

生地がひとかたまりになるまでよく混ぜます。

ある程度まとまったら、生地を台に打ち付けます。

縦長になった生地を、

二つ折りします。

90度角度を変えて、また打ち付けて、二つ折りにして…と10分ほど繰り返します。

表面がすべらかになって、グルテンの膜が確認できたらOK!

サラダ油を薄く塗ったボウルに生地をいれ、乾燥防止のラップをして1次発酵させます。

2倍の大きさに膨らんだら発酵完了。
生地の湿度や環境にもより前後しますが、35〜40度の環境で40分が目安です。

生地を3等分にカットします。

生地を伸ばして、ガス抜きをします。

ガス抜きしたら、麺棒で正方形に伸ばします。

両端を内側に折り込み、

手前からクルクルっと巻きます。
巻き終わりの端は下にくるようにします。
ここで生地に濡れ布巾をかけて、10分ほどベンチタイム。

パン型の内側にサラダ油を塗り、

丸めた生地を、写真の向きにして、パン型にいれます。
そうして再び発酵。
2次発酵は、型から山がちょっと出るくらい膨らんだら、が目安。

なかなか、フカっとして良さそうな見た目になりました。

乾燥防止と艶出しのために、表面に軽く牛乳を塗ります。
さて!あとはこれを200度に温めたオーブンで焼くだけ。
無事に山が綺麗に盛り上がると良いのですが…
次回、「サンドする中身が重要!」の巻に続きます。
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