~パイ生地を作るということ の巻~
今回作成するのは、鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST第一話より、グレイシアさんの作るほうれん草のキッシュ。
主人公エドとアルが仕事のために訪れたセントラルで、まだ泊まるところを決めていなかった二人を招待してくれたヒューズ家の食卓シーンです。
気さくで大の愛妻家・愛娘家のヒューズさんは、いつも妻と娘の自慢ばかり。
美人で料理上手な妻グレイシアさんと、無邪気で可愛いエリシアちゃん。
確かに自慢してしまう素敵な家族ですが、それにつけてもヒューズさんは度を超えてぞっこん。
そんな微笑ましく、幸せを形にしたようなヒューズ家で登場する、ほうれん草のキッシュ。
どこか懐かしさを感じる美味しそうな一品です。
錬金術の失敗によって、体を失ったアルが「体を取り戻したら食べるものリスト」に加えるほど心惹かれるキッシュ。
愛のこもった手作りが美味しさの秘訣のように思えます。
アップルパイが得意なグレイシアさんのことです。まさかパイ生地が市販な訳がありません。
きっと、丁寧に丁寧に、時間をかけてパイ生地から作っていることでしょう。
というわけで‥今回は、気合を入れてパイ生地を作るところから、再現に挑戦です!
【用意するもの】

まずはパイ生地を作ります。
強力粉、薄力粉、バター、氷水
以前、美少女戦士セーラームーンの育子ママのレモンパイを作成した時もパイ生地を作りました。
バターと小麦粉を練り込んで作る「練り込み式」で、手頃で比較的手間がかからないアメリカ流の製法です。
さっくりとしたクッキーのような生地が特徴で、もちろんこの製法でもキッシュには合います。
しかし、今回は作品のモデルがヨーロッパのイギリス。
しかも作り手はアップルパイを作るのが得意ときたら、アメリカ流の製法ではなく、ヨーロッパ流の製法が自然ではないでしょうか。
ということで、今回は「練り込み式」ではなく、バターと小麦粉を伸ばしては折りたたむ、「折り込み式」のご紹介。
「折り込み式」は、手間と時間はかかりますが出来上がりの本格さといったらありません。
層が綺麗に浮かび、はらはらとした口溶けが特徴のパイ生地になります。
コツはとにかく「バターを溶かさない」ことです。
集中するとうっかりしてしまいそうですが、どの行程も、とにかくバターが溶けないことが最優先です。
室温が高かったり、手で触れ過ぎた場合はその度に冷蔵庫で数分寝かせると失敗が防げます。

薄力粉、強力粉は一度ふるいにかけます。

ボウルに粉類を入れて、真ん中を空けるようにして壁を作ります。
スプーンなどを使うとスムーズです。

先ほどのバターとは別に、バターを用意します。

こちらは溶かしてしまいます。
加熱する場合は、粗熱をとる時間をとってください。

バターの粗熱をとっている間に、ボウルに氷水を投入します。
氷水は真ん中の穴に貯めるようにして注ぎます。

塩をひとつまみ、氷水めがけてまぶします。

あとは、塩を氷水と混ぜながら、そこにバターを注いでいきます。

バターと小麦粉が直にくっつくとダマができてしまうので、バターはなるべく水気のあるところに混ぜていきます。

氷水とバターを混ぜ終えたら、壁を内側から徐々に壊すようにして小麦粉を混ぜていきます。
混ぜ方としては、練りこまずに生地を切るようにです。
丁度うどんの生地を作る時と同じ感覚です。全体に均等に水分が行き渡るようにします。

生地の水分が均等になったら、生地をひとまとめにします。

ところどころにバターの粒が見える状態がベスト。

生地の半分の深さまで、十字に切り込みを入れます。

ラップにくるんで、ここで生地を30分冷蔵庫で寝かせます。

生地を寝かせている間に、バターの準備をします。
バターを伸ばす作業は、ラップでは破れてしまうこともあるので注意が必要です。
強度や手頃さを考えると一番便利なのは、未使用のビニール袋です。

バターをビニールの上に乗せます。

上にビニールを被せます。

バターを麺棒で10cm角程度に伸ばします。

溶けないように手早く行い、伸ばし終えたらラップに包んで冷蔵庫へ。
形は多少いびつでも問題ありません。

30分経過した生地を冷蔵庫から取り出します。

均一に力を加えて、バターが包める大きさに伸ばします。

生地がべとつく場合は打ち粉をするか、冷蔵庫ではなく冷凍庫に入れておくと扱いやすくなります。

バターがはみ出ないように、生地は余裕をもった大きさに。

空気が入らないように気をつけて、バターを四方から生地で包み込みます。

縦40cm、横15cmの大きさになるように生地を伸ばします。
破れそうな場合は、無理にこの大きさにする必要はありません。
折っているうちに自然と伸びます。

伸ばした生地は、奥から一折して‥

手前からも一折し、三つ折にします。

生地の向きを90℃変え、生地の端4辺を麺棒で押し、生地の口が開かないようにします。

より密着するように、端4辺押したら、十字にも押し付けます。

これが押し付けた状態。
これを先ほどと同じように、縦40cm、横15cmの大きさになるように生地を伸ばします。
伸ばす→三つ折→生地の向きを90℃変える→生地を押し付ける→十字に押し付ける→冷蔵庫で寝かせる
この一連の流れを繰り返していきます。

ここでも、作業はバターが溶けないよう、一度で行わないことが大事です。
一連の流れを終えたら、幾度冷蔵庫で30分寝かせます。
生地がべたついて破れそうな場合は、打ち粉をします。

最初はいびつだった形も、次第に生地が慣れて、なめらかになってきました。
バターと生地を折り込んだ数だけ、あのパイ生地独特の層が出来上がります。
この一連の行程を最低でも4回行います。
今回は8回行いました。
時間に余裕がある場合は、余分にやると尚の事美味しく仕上がります。

折り込み終わった生地は、ラップに包んで冷蔵庫で寝かせます。
パイ生地の準備はこれで完了!
こうして手順を紹介していると淡々とした作業ですが、実際に作るとなかなか神経を使います。
とにかくバターが溶けてしまっては、すべてが台なし。
そしてそれは出来上がらないと分からないというギャンブル感に、緊張感は広がります。
少しでも失敗の確率を下げるために、夕方なのに暖房を切り窓を解放するビストロ・アニメシ。
ベランダ七輪の反省で、しっかり着込んでいますが、その姿は異様です。
ちょっと滑稽な舞台裏ですが、美味しさには変えられません。
ヒューズさんに愛され、家庭を任されているグレイシアさん。
家事の一つ一つを丁寧にしそうな彼女のことですから、日中、暖房もつけずに冷えた台所でこうしてパイ生地の仕込みをしているのかもしれません。
エリシアちゃんがお昼寝や、お友達と遊んでいる間に、家事の合間をぬってパイ生地を作って‥
ちょうどエリシアちゃんが暇を持て余す時に、パイ生地のあとの料理を仲良く行うのかな?なんて想像が膨らみます。
パイ生地を作るのは、時間も手間もかかることです。
熟練さがモノを言う作業なので、美味しく作るには日々の積み重ねも大切。
出来上がりはホール一つぶんで、一人では食べ切れません。
パイ生地、それは「誰かのため」でないとなかなか出来ない、気持ちのこもった料理なのかもしれません。
まだまだ経験の浅い当ビストロ、バターが溶けていないかビクビクしながらも、ヒューズ一家に思いを馳せるのでした。
寒風に吹かれながら折った生地は、無事成功なるか!?
次回、「愛情が表面張力」の巻に続きます。
■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□
天吉
アップルパイのイメージばかり強くて、
キッシュは思い出せませんでした>< パイ生地から作るとはさすがです!
BistroAnimeshi
天吉
アップルパイといえば連想するのはウィンリィ。
でも、もとをたどるとグレイシアさんが教えてくれている‥ということで、まずは順を追ってグレイシアさんのキッシュを出してみました。
リクエスト頂いたメニューの公開まで、こちらも合わせてお楽しみ頂ければ幸いです(^^)
えりしあ
結局、このレシピの分量が見れるところってどこにもないんですか?
サイトは何も中身がないし、メニュー一覧があるというので
まとめ見てみても写真があるだけだし……
このブログで作り方をここまで詳細に出すなら、
一緒に分量も掲載してくれればいいのにと思います
BistroAnimeshi広報部
えりしあ様
はじめまして。広報部の前田です。
分量が知りたい!そういったご意見、多数頂いております。
残念ながら、分量についてはアプリ、又は、書籍で公開させて頂く予定でおります。
アプリは開発元にリクエストが寄せられると、ビストロ・アニメシにメニュー掲載の追加オーダーが依頼されます。それまでは、勝手にメニューを増やす事もできませんので、リクエストを挙げて頂けるのが近道かと思います。
書籍化については、常にオファーを頂き、企画会議などに挙げて頂いてはいるのですが、未だ出版までこぎつけておりません。
ですが、全くの未定という状況ではございませんので、今しばらくお待ち下さい。
今後共、ビストロ・アニメシを宜しくお願い申し上げます。