前篇の「ごはんを炊こう」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!
~まじないは手塩 の巻~
チリチリ、パチパチという音が聞こえる土鍋の火を止め蒸らすこと15分。
香ばしい香りが食欲をそそります。

無事に炊けてるか、どきどきしながら蓋を開けると‥

炊けてます!

しゃもじで混ぜて、余分な水分を飛ばします。
お米の一粒一粒がふっくら光っていて、とても美味しそう。
おこげもしっかり出来ています。

熱いうちにお茶碗によそいます。

お茶碗を軽くゆすって、ご飯をまとめておきます。
塩むすびはご飯を炊くときに塩を入れる作り方、炊いてから手塩で握る作り方など人によって様々。
今回は、ハクが千尋が元気になるようにまじないをかけた姿を想像して、手塩で丹精込めて握ることにしました。

美味しい荒塩をひとつまみ。

お水を入れたお椀に、塩をつまんだまま指先を浸します。

塩を掌に馴染ませます。

あとは、掌にご飯を乗せ‥

あちち、と熱さに耐えながら、形を整えていきます。

三角にきゅっきゅっと握ります。
ご飯粒が潰れない程度に、でも型崩れしないようにしっかり握ります。

握り終えたら、仕上げにもう一度掌に塩を馴染ませ、表面を撫でます。

ご飯が冷めないうちに、どんどん握っていきます。
熱くて掌が赤くなるけれども、塩むすびを握るなんて久しぶりで、それすらも楽しい。

出来上がったら、お皿に乗せて冷まします。

あとは、竹の皮に包めばいよいよ出来上がり。

「お食べ、ご飯を食べてなかったろ?」

「千尋の元気が出るようにまじないをかけて作ったんだ。お食べ」と、出来上がった塩むすびをひとつ差し出します。
そっとかじると、口の中ではらはらとほろけるお米。
時折入っているおこげが、これまた嬉しい。
塩も時間を置くことで、尖りがなくちょうど良い具合に馴染んでいます。
冷えていると、お米の炊きあがりの良さがより表れる気がします。
ひんやりとしたお米は、ふっくらつやつや。
芯があって、噛みしめれば噛みしめるだけお米の美味しさを感じることができます。
塩味だけの素朴なものが、どうしてこんなにも美味しいのか不思議です。
土鍋で炊いたことが勝因ですが、でもやっぱり、一番の美味しさの秘訣は、手塩で食べる人の喜ぶ顔を思い浮かべながら作ることかもしれません。
千尋が大粒の涙を流したように、食べる人をそっと包んでくれる優しい味です。
作る人の心まで優しくなる、そんな素敵な一品なのでした。
コメントを残す