ビストロ・アニメシ

うさぎドロップ

りんちゃんのかまぼこ入り煮物 前篇

〜爺むささも可愛さのうち の巻〜

今回作成するのは、うさぎドロップに登場するりんちゃんの煮物。

うさぎドロップは、三十路の独身男性ダイキチが、突然6歳の女の子と暮らすことになった日々が描かれています。

祖父の訃報によって久方ぶりに訪れた祖父の家には、見覚えのない女の子、りんちゃん。
母に聞いてみると、なんと祖父の隠し子という驚きの事実。

親戚一同は祖父が亡くなって始めてりんちゃんの存在を知り、戸惑い、拒絶の姿勢を見せます。
施設に預けよう‥と皆で話は進んでいきますが、一同のりんちゃんへの扱いに疑問を感じたダイキチ。

決して子供好きでもなく無愛想なダイキチですが、りんちゃんを引き取ることに決めました。

そこからは、「こども」という生き物が未知の存在すぎて戸惑う日々が始まります。
服のサイズは分からないし、保育園に通わせること1つとっても、保育園の種類を初めて知ったり、仕事の時間との調整が必要だったりとドタバタ‥。

当然、一人暮らしとは全く違う生活。
今までどおり残業が出来るわけもなく、思い切って移動願いもして‥
暮らしを変えることを「犠牲」と思いたくない。
仕事は組織として自分が外れても回るはずだけど、りんちゃんのことはそうはいかない!

でも、なかばイキオイでの展開で、今まで知らなかった世界に急に飛び込んで、迷ったり不安だらけ。
それでも、りんちゃんを知り、りんちゃんに癒され、時に学ぶ。
守る存在がいることは、大変でありながらも原動力になって、大きな生きがいになるのだろうと感じる作品です。

作品は大きく分けて、りんちゃんの幼少期を描く一部と、高校生へと成長した二部の構成です。

無邪気で可愛い幼少期のりんちゃんには顔が緩みっぱなしですが、高校生に成長した二部も読み応え満点。
恋を知り、自らの出生を知り、沢山の時間を経て変化していく彼女を取り巻く環境。
展開が気になってどんどん読み進み、迎えるのは予想外のラストでした。

その選択が正しいのか、そして幸せなのか、すぐには判断することが出来ませんでした。
誰もが祝福してくれるのかと言えば、そうとは言えない。
特に、そこまで幼少期のりんちゃんと、それを見守るダイキチを読み知っていると、親心のような変な老婆心が先行してしまって、ますます大手を振って祝福するのは無責任なようで出来ません。

「それで、いいの?本当に大丈夫?きっと大変だし、嫌なことを言う人もいるよ?」とモヤモヤとするラストなのですが‥

そこでこの煮物がポイントになります。

この煮物は、作中にはっきりと登場しません。
登場するのは、作品のその後が描かれた番外編の、ダイキチのセリフにだけ。

「煮物にかまぼこ入ってんのも、かーちゃん以外では初めてだよ」

お出汁を取り終えた煮干しを食べたり、煮物にかまぼこが入っていたり。
ダイキチいわく、「ばあさんみたい」なりんちゃん。
でも、それは美味しいし、何やら嬉しそうなダイキチ。

会話からは、二人の新しい関係性が穏やかなものだということが伺えて、他愛ないもののはずなのに、ほっと安心するのです。

そんな、りんちゃんの煮物。
作ってみるっきゃありません!!

というわけで、調理スタートです。

【用意するもの】
001
絹サヤ、厚揚げ、ニンジン、ゴボウ、コンニャク、生麩、かまぼこ、昆布、干しシイタケ、煮干し
調味料は醤油、酒、砂糖、みりんです。

かまぼこ入りの煮物というのが初耳だったもので、色々考えました。
ぱっと思いつくのは、ワサビ醤油で頂く紅白の板蒲鉾。

でも、煮物に入れたことがないなぁ‥と、イメージがボンヤリ。

そこで、「もしかして、生麩なんじゃないか?」と閃きました。
生麩とは、小麦粉ともち粉を原料にした、もっちりした食感が特徴な商品。
かまぼこに見えなくもない外観な上に、練り物です!

スーパーなどでも手頃な価格で販売されているし、りんちゃんは生麩だと分かっているけれど、ダイキチは生麩を知らないんじゃないか‥という推理をしてみました。

でも、生麩もかまぼこも彩りが良いし、味も馴染み良いもの。
ということで、せっかくなので試験的に両方入れてみることにしました。

004
お出汁を取ったあとの煮干しを食べるのが楽しみな、りんちゃん。
お裁縫も好きだったり、古い家の手入れをすることから、今回は顆粒ダシなどは使用せず、お出汁をしっかり取るレシピです。

煮干しは大きめのものと、お正月に余った田作りを少々。

005
苦味や臭みが出ないように、頭とはらわたを取り除きます。

008
鍋に水を入れ、昆布と煮干しを入れてしばらく置きます。

007
干しシイタケはぬるま湯で戻しておきます。

009
ゴボウは斜め切りして酢水につけておきます。

ゴボウのアクは栄養価らしく、水にさらさなくて良い説・酢水ではなくて良い説諸々ありますが、泥臭さが心配な私はいつも酢水です。
酢水につけることは、アク抜きのほかにも色がくすまずに白く保たれる効果があります。

011
絹サヤは端を折り曲げ、折れた先端を引っ張ってすじ取りをします。

012
手で取りきれない場合はピーラーで削ぐと、便利です。

016
ニンジンは皮むきして輪切りして、花型にくりぬきます。

017
茶色くなりがちな煮物に、彩りを添えてくれます。

019
お次はコンニャク。軽く水洗いしてから、ちょっと厚めに切ります。
真ん中にほんの少しの切り目を入れて‥

020
切り目に端をくぐり入れて‥

021
手綱の形が出来上がり。

023
ぐらぐらと沸騰したお湯で、下茹でしておきます。

026
生麩とかまぼこは、一口大に。

031
沸騰したお湯でニンジンを下茹でし、生麩もさっと湯通しします。
着物の柄みたいで、可愛らしい組み合わせに笑みがこぼれます。

033
絹サヤも一緒に茹でちゃいます。
火を入れすぎると、せっかくのシャクっとした食感がなくなってクタッとしてしまうので、ザルの中でささっと茹でます。

今回はちょっと丁寧な手順なので、下準備が結構あります。

絹サヤを無言ですじ取りしたり、ニンジンを花型にくり抜いたり、コンニャクを手綱にしたり‥
ちまちまとした作業って、楽しい。黙々とやっちゃいます。

りんちゃんも、こういう作業を好きそうな気がします。

満足感のある行程ですが、煮物はここからが本番!
というわけで、次回「あっ‥」の巻に続きます。

2 コメント

  1. ななこ

    はじめまして。
    いつも、楽しくブログを拝見させて頂いてます(*^^*)
    リクエストなんですが、アニメ&漫画版の夢のクレヨン王国に登場する、のりまきの再現レシピが知りたいです!
    もし可能でしたらよろしくお願いします✨

  2. BistroAnimeshi

    ななこ様
    コメントありがとうございます。
    夢のクレヨン王国、懐かしいですね!
    ノーチェックだったので、早速観てみようと思います。
    リクエストは、今後の参考にさせて頂きます(^_^)ありがとうございました!

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